8月15日は、今年で77回目を迎える「終戦の日」です。一方で、世界ではロシア対ウクライナのように未だに戦争が起こっています。そんな現代だからこそ、戦争の凄惨さや生命の尊さを映画を観て考えてみるのはいかがでしょうか。そこで今回は、『プライベート・ライアン』を紹介していきたいと思います。
第二次世界大戦を描いた『プライベート・ライアン』
作品情報
- 公開年:1998年
- 上映時間:170分
- 監督:スティーブン・スピルバーグ
- 脚本:ロバート・ロダット
- 音楽:ジョン・ウィリアムズ
『プライベート・ライアン』は、第二次世界大戦時のノルマンディー上陸作戦を題材にした作品です。特に、映画冒頭では20分間にも及ぶ壮絶な戦闘シーンが凄まじい臨場感で描かれており、その徹底的なリアリティから「映画史に残る20分」と評されています。また本作のストーリーは、ナイランド兄弟の逸話が基になっているため、それもまたこの作品のリアリティを高める一因となっているのかもしれません。
本作の主演を務めるのは、有名な映画に数多く出演しており、数々の受賞歴を持つ俳優トム・ハンクス。現在公開中の映画「エルヴィス」でも、高い評価を得ていますね。
あらすじ
映画は、ある老人が一つの墓の前で思い出を回想するシーンから始まります。1944年、アメリカ軍によるノルマンディー上陸作戦が決行されると、数多くの死傷者を出しながら、激戦の末、連合軍が勝利を収めました。
そんな状況下で、攻防を生き抜いたミラー大尉の元に、落下傘歩兵ジェームズ・ライアン二等兵を探し出し、無事に帰還させろという命令が届きました。ジェームズ・ライアンはライアン家の4兄弟の末子で、残りの3人は戦死しており、それによって本国へと緊急送還される運びとなりました。ミラー大尉は、6人の優秀な部下と、通訳として引き抜いた1人を伴って、ライアンを探しに行くことに。たった1人を探し出すために、8人の兵士が命をかけることに疑問を感じながらも、戦場を渡り歩きます。
メインキャスト
- トム・ハンクス:ジョン・H・ミラー役
- トム・サイズモア:マイケル・ホーヴァンス役
- エドワード・バーンズ:リチャード・ライベン役
- バリー・ペッパー:ダニエル・ジャクソン役
- アダム・ゴールドバーグ:スタンリー・メリッシュ役
- ヴィン・ディーゼル:エイドリアン・カパーゾ役
- ジョヴァンニ・リビシ:アーウィン・ウェイド役
- ジェレミー・デイビス:ディモシー・E・アパム役
- マット・デイモン:ジェームズ・フランシス・ライアン役
『プライベート・ライアン』の評価について(※ネタバレあり)
本作では全体を通して、戦争の悲惨さが描かれています。特に冒頭の20分の苛烈極まる戦闘シーンは、多くの映画評価サイトで高い評価がされています。友人が、仲間が、部下が、より多くの命を救うために亡くなっていく中、ミラー大尉と7名の部下は、たった1人の命を救うためだけに、自分たちの命を懸けなくてはならなくなり、苦悩しながらも戦っていく姿に胸を打たれました。
ライアンを探しながら様々な戦場を渡り歩き、そこにいる人を救うために戦い、少しずつ仲間が死んでいく様子には、戦争の残酷さを改めて実感させられます。ミラー大尉は、ある時、仲間に気持ちを打ち明けます。
「俺たちが救う人間には、本当に命を懸ける価値があるのか」
またある時、仲間が殺されて、仲間たちの不満が爆発した時、ミラー大尉はこう言います。
「俺はまた自分の女房に会う時には、胸を張って帰りたい、だから任務を全うしたい」
そして最後の戦いで、ミラー大尉はライアンにこう言い残します。
「ジェームズ・・・、ムダにするな、しっかり生きろ・・・」
ラストシーン、ミラー大尉の意思を受け継ぎ老人になったライアンは、ミラー大尉の墓前で彼の妻に尋ねます。
「私はいい人間か?」
「もちろんよ」
こうした彼らの絆と苦悩、何より受け継がれていく意思を観て、涙を流さずにはいられませんでした。
最後に
今回は、『プライベート・ライアン』のあらすじ紹介とレビューをしていきました。臨場感あふれる映像と、トム・ハンクスの真に迫った演技はとても見応えがありました。トム・ハンクスは、現在公開中の映画「エルヴィス」にもオースティン・バトラー演じるエルヴィス・プレスリーの悪徳マネジャー、トム・パーカー大佐役として出演しています。こちらも是非ご覧ください!