新年を迎え、1月は実業団のニューイヤー駅伝から始まり、全国高校サッカーや高校ラグビー、春高バレーなど、スポーツ界で多くの試合が行われます。
その中でも、とりわけ1月2・3日に行われる「箱根駅伝」が一番の盛り上がりを見せたと言っても過言ではないでしょう。毎年多くのドラマが生まれる箱根駅伝ですが、2023年は駒澤大学が出雲駅伝、全日本駅伝に続き、箱根駅伝を制して「大学駅伝三冠」を達成。さらに1年生ながら6区区間賞を獲得した駒澤大学の伊藤蒼唯選手をはじめ、多くのルーキーが活躍したことも印象的でした。
そこで今回は、箱根駅伝で特に活躍が顕著だった4人のルーキーを紹介します。
箱根駅伝で活躍した4人のルーキーたち
箱根駅伝の出場校は20校で、1年生は29人が出場しました。全選手が懸命に襷を繋ぎ、非常に良い走りをしましたが、その中でも特に素晴らしい活躍をしたのが次の4選手です。
- 森下翔太(3区 明治大学)
- 吉居駿恭(4区 中央大学)
- 伊藤蒼唯(6区 駒澤大学)
- 上原琉翔(7区 國學院大学)
ここからは、出走順に紹介していきます。
森下翔太(明治大学)
往路の3区で起用された明治大学のルーキー・森下翔太選手は、1:02:05(区間4位)の走りでチーム順位を13位から7位に押し上げました。
全国高校駅伝で2020年から2連覇した広島・世羅高校のエースとして鳴り物入りで明治大学に入学。11月の全日本大学駅伝では、1区を任されて区間8位で走る活躍を見せるなど、ルーキーながらすでにチームの主力として活躍しています。
今大会では残念ながらシード権を獲得することができず、100回大会は予選会からの本戦出場を目指すこととなりますが、エースとしてチームを本戦出場、上位入賞に導いてもらいたいですね。
吉居駿恭(中央大学)
中央大学のルーキー・吉居駿恭選手も往路4区で、1:01:49(区間5位)の素晴らしい走りを見せました。吉居駿恭選手は、昨年2年生ながら箱根駅伝の1区で区間新記録を樹立した吉居大和選手の弟で、10000m高校歴代3位(28分11秒96)の記録を引っ提げて、中央大学に進学しました。
今年の4区は青山学院大学の太田碧生選手、駒澤大学の鈴木芽吹選手といった来年各校のエースとなる選手が顔を揃える中、吉居選手は先頭で襷を受け取りました。しかし、駒澤大の鈴木選手に追い越され、吉居選手としては悔しいデビューとなったのかもしれません。
今回の経験を糧に、来年は兄の大和選手とともに中央大学を優勝に導いてくれる走りを期待しましょう。
伊藤蒼唯(駒澤大学)
今大会のルーキーの中で一番の活躍を見せたのが、優勝した駒澤大学の伊藤蒼唯選手です。復路で山下りの6区に起用されると58:22で駆け抜け、チーム唯一となる区間賞を獲得。当日変更で6区を走ることとなりましたが、スピードに乗った力強い走りで30秒差でスタートした2位の中央大学との差を17秒に広げ、往路1位のチームをさらに勢いづけました。
駒澤大学は、前日の5区山登りをした山川拓馬選手と京都・洛南高校からスーパールーキーとして期待されて入学し、すでに出雲駅伝・全日本大学駅伝ともに区間新と好走している佐藤圭汰選手もおり、来年以降も楽しみです。
上原琉翔(國學院大学)
出雲駅伝、全日本大学駅伝で準優勝し、勢いに乗る中で箱根駅伝を迎えた國學院大学でしたが、主将の中西大翔選手を欠く逆境に見舞われました。そんなチームを救う走りを見せたのが、ルーキーの上原琉翔選手です。復路7区では、4位で受けた襷を区間6位の1:03:21の積極的な走りで駆け抜け、38秒前にスタートした早稲田の主将鈴木創士選手をとらえて、順位を3位に押し上げました。
1、2年生が多く出場した國學院大学、上原選手や現2年生の平林選手らが中心となって、来年は優勝目指して戦ってもらいたいですね。
最後に
毎年ルーキーたちの活躍によって流れが大きく変わる「箱根駅伝」。今年も駒澤大学の伊藤蒼唯選手が、優勝を大きく引き寄せたと言っても過言ではない、素晴らしい走りをしました。
その他のルーキーたちや上級生にも今年の経験をもとに、来年の100回大会で大いに力を発揮してもらいたいですね。そして、また来年には新しいスターが生まれることを期待しましょう!