子どもに見せられないほど過激な描写などにより笑うセールスマン 放送禁止など、アニメでは放送禁止となるケースがあります。
しかし実は放送禁止となるのはアニメだけではありません。アニメに負けないほど過激(人が死ぬなどはありませんが)な演出により放送禁止になるドラマ、出演者が逮捕されたことにより放送禁止になるドラマなど実は結構な数のドラマが放送禁止になっています。
そこで今回はその中でも特に印象的な理由で放送禁止となっているドラマを3作品紹介していきます。
特徴的な理由で放送禁止となったドラマ3選
今回紹介していくドラマは
- 海猿
- フードファイト
- ライフ
です。どの作品も視聴率は高く、世の中の注目を集めた作品ですが、ある理由により放送がされなくなりました。
順番に理由を説明していきます。
『海猿』
放送期間:2005年7月5日~9月13日
放送時間:火曜21:00~21:54
放送局:フジテレビ系
最高視聴率:17.8%
主演:伊藤英明
海猿は2004年から2012年にかけてドラマ1クールと、映画4作が公開された大人気シリーズです。
テレビ局とのトラブルの末、放送の可能性がなくなる
2012年、原作者の佐藤秀峰氏はTwitter(現:X)で、フジテレビによる自身の事務所への突撃取材や、海猿の関連書籍が無許可で販売されていたことなどを理由に、フジテレビとの新規取引停止と続編制作を許可しないことを発表しました。
2015年に当時のフジテレビ報道局長からの謝罪文などを理由に和解しましたが、2017年11月には、同年末で本作の実写版のすべての契約が終了。その際に「今後テレビやインターネットで放送・配信されることは永久に無い」とコメントし、テレビで視聴することは叶わなくなりました。
『フードファイト』
放送期間:2000年7月1日~9月16日
放送時間:土曜21:00~21:54
放送局:日本テレビ系
最高視聴率:21.5%
主演:草彅剛
主人公の決め台詞「俺の胃袋は宇宙だ」が大流行した本作は、2つの理由で再放送・配信が困難な放送禁止 ドラマなりました。
元・SMAPの草彅剛さんと木村拓哉さんが共演(木村さんは声の出演)し、主題歌も「らいおんハート」が採用され、157万枚を売り上げるミリオンセラーを達成しました。
フードファイトが放送禁止となった理由①死亡事故が発生
1つ目はドラマに影響を受けたと思われる事件で、死亡者が出たことです。2002年に愛知県の中学校で、フードファイトをまねて給食のパンを早食いした生徒が、パンをのどに詰まらせ意識不明の重体になり、その3ヶ月後に死亡しました。
当時の大食いブームに引導を渡すこととなった事故といえます。
フードファイトが放送禁止となった理由②出演者の不祥事
2つ目は出演者2人の不祥事です。
いしだ壱成さんは2001年に禁止薬物所持の疑いで逮捕され、さらに不倫報道で活動自粛となりました。
羽賀研二さんは、2007年に未公開株を利用した恐喝未遂と詐欺事件を起こし、2013年に懲役6年の実刑判決となり服役しました。
この2名の不祥事もあり、フードファイトをテレビで見ることはできなくなりました。
『ライフ~壮絶なイジメと闘う少女の物語~』
放送期間:2007年6月30日~9月15日
放送時間:土曜23:10~23:55
放送局:フジテレビ系
最高視聴率:17.4%
主演:北乃きい
累計部数700万部を突破した、すえのぶけいこの漫画をドラマ化した作品です。メインテーマは「いじめとの闘い」ですが、その描写がリアル過ぎたために“再放送NG”となってしまいました。
ちなみに、壮絶ないじめとの闘いの結末を描いた最終回の視聴率は、深夜の放送にもかかわらず17.4%を記録しました。
陰湿ないじめに戦う姿勢を描くも、描写がリアルすぎて放送禁止に
いじめとの戦いを描いた本作ですが、その壮絶ないじめシーンがあまりにもリアルだったため、保護者から「いじめを助長する」という抗議が殺到した。その抗議はテレビ局への苦情のみならず、放送倫理・番組向上機構(BPO)にも寄せられたことで、放送禁止作 ドラマとなりました。
ちなみに、ライブといえばいじめを主導するグループのメンバーから発せられた「お前の席ねぇから!」というセリフは、本作を代表する名場面となっています。
いじめに苦しむ視聴者からは好意的な意見も
主人公がクラスメートの1人と友情を築き、いじめに立ち向かっていく強さを描いたことで、いじめに苦しむ視聴者からは「勇気をもらった」など、作品を評価する意見も多く寄せられました。
最後に
「コンプライアンス」が非常に重んじられる現在のテレビ界にとって、今回取り上げた作品は論外なのかもしれません。
この状況は時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、“あれもダメこれもダメ”といった制約の中、リアルな描写によって描かれる作品がどんどん減ってしまっていますよね。
その反動でYouTubeなどでは過激な動画を投稿するチャンネルも増えているのかもしれません。
昔は良かったと言うつもりはありませんが、見るものを判断する力、させる力を視聴者側も身につける必要がありそうですね。
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